現代の家畜の飼育は、人が食べるための穀物を大量に消費することが課題となっています。

特に牛肉の生産は、その穀物消費量の大きさから注目を浴びています。

一方、ダチョウ肉というエコな選択肢が存在することをご存知でしょうか？

今回は、ダチョウがエコな家畜である理由について探っていきたいと思います。

穀物消費の削減

牛肉の生産には、1キログラムの牛肉を得るために約11キログラムの穀物が必要と言われています。

これに対して、オーストリッチミート (ダチョウ肉) は約2.3キログラムの穀物で同じ量の肉を得ることができます。

この差は驚くべきものであり、ダチョウの飼育によって穀物の消費を79%も削減することができます。

穀物の節約は、環境への負荷を軽減するだけでなく、食糧危機や資源の持続可能性にも貢献する重要な要素です。

それは、何故でしょうか？

タンパク質クライシスへの解決策

世界的に見て、人口増加と経済活動の拡大に伴い、タンパク質の需要は増加の一途をたどっています。

世界人口白書2022^※では、世界の人口は79億人 (2022年) から、2050年には97億人へと、20億人近く増加すると予測されています。

(※世界人口基金による発表)

さらには、農林水産省によると、新興国の経済成長に伴う一人当たりのタンパク質摂取量の増加により、畜産物の需要が急増すると予想されています。

これがタンパク質クライシスと呼ばれる食料危機の背景です。

その結果、2050年には数千万トン単位でのタンパク質不足が生じるという推計がされています。(野村総合研究所調べ)

そして、牛の例の通り、家畜は多くの穀物を消費することから、

人が食べる穀物と、家畜が食べる穀物が取り合いになる可能性が考えられます。

そのため、家畜の穀物必要量を減らすことは、食糧危機の解決策のひとつとして非常に有望なのです。

SDGsへの貢献

ダチョウ肉の利用は、持続可能な開発目標（SDGs）への貢献も期待されています。

穀物消費の削減により、SDG 2「飢餓を終わらせよう」やSDG 12「持続可能な消費と生産の確保」に貢献します。

また、タンパク質クライシスの解決に取り組むことは、SDG 3「すべての人に健康と福祉を」にも繋がります。

ダチョウ肉のような持続可能な食品選択は、SDGsの達成に向けた取り組みの一環として重要な役割を果たします。

オーストリッチミート (ダチョウ肉) は、穀物消費の削減とタンパク質クライシスへの解決策として注目されるエコな選択肢です。

さらに、SDGsへの貢献も期待されており、飢餓の終結や持続可能な消費と生産の確保、人々の健康と福祉に寄与する重要な役割を果たします。

オーストリッチミートは、地球環境や社会にかかる負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献するための重要な選択肢だと私たちは考えています。

オーストリッチの可能性を見据えながら、一歩ずつより良い未来へ歩んでいきたいと思います。